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点鼻ワクチン(フルミスト)を選ぶ前に知っておきたいこと|注射との効果の違い・受けられない方・副反応

点鼻ワクチン(フルミスト)を選ぶ前に知っておきたいこと|注射との効果の違い・受けられない方・副反応

「注射がこわい」「2回連れてくるのが大変」というご家庭から、鼻にスプレーするタイプのインフルエンザワクチン(フルミスト)を選ばれる方が増えています。当院では昨年、2〜12歳のお子さんの4割以上が点鼻を選びました。ただ、注射とはしくみが違うワクチンですので、選ぶ前に知っておいていただきたいことをまとめました。

フルミストとは

フルミストは、弱毒化した生きたインフルエンザウイルスを鼻にスプレーするワクチンです(経鼻弱毒生ワクチン)。海外では20年以上使われており、日本では2024年秋から接種できるようになりました。対象は2歳以上19歳未満で、左右の鼻に1回ずつスプレーして終わりです。

注射との違い

  • 接種回数注射は13歳未満のお子さんは2回(3〜4週間あけて)ですが、点鼻は年齢にかかわらず1回で済みます。来院も1回です。
  • 痛み針を使わないので痛みはありません。スプレーの瞬間に少しむずむずする程度です。
  • ワクチンの種類注射はウイルスの成分だけを使う「不活化ワクチン」、点鼻は弱めた生きたウイルスを使う「生ワクチン」です。この違いが、効き方や受けられない方の条件の差につながります。
  • 費用当院では点鼻が1回8,000円、注射が1回3,500円です(2026年度・税込)。13歳未満で注射2回の場合は7,000円になり、点鼻との差は1,000円です。

効果は違うの?

注射のワクチンは、血液の中に抗体をつくって、体に入ったウイルスが広がるのを防ぎます。点鼻のワクチンは、それに加えて鼻やのどの粘膜にも免疫をつくるため、ウイルスの入り口で防ぐはたらきが期待されています。

海外の臨床試験では、小さなお子さんで点鼻のほうが注射より発症が少なかったという報告があります。一方で、ウイルスの型によっては点鼻の効果が低かった年もあり、アメリカでは一時期、点鼻が推奨から外れたことがあります(その後ワクチンの株が見直され、現在はどちらも推奨されています)。

まとめると、効果はおおむね同じ程度で、年やウイルスの型によってどちらが有利かが変わります。日本小児科学会も、2歳以上のお子さんには注射と点鼻のどちらも推奨しています。「点鼻のほうが確実に効く」「注射のほうが確実に効く」とは言えない、というのが正直なところです。効果が出るまで約2週間、持続は5か月ほどという点は、注射と変わりません。

点鼻を受けられない方

生きたウイルスを使うワクチンのため、注射より受けられない方の条件が多くなります。次にあてはまる方は、注射をおすすめします。

  • 2歳未満、または19歳以上の方
  • ぜんそくがある方、5歳未満でゼーゼー(喘鳴)を繰り返しているお子さん
  • 免疫が低下している方(病気や治療によるもの)、またはそうしたご家族と同居していて濃厚に接する方
  • 妊娠中の方
  • アスピリンなどのサリチル酸系のお薬を飲んでいるお子さん
  • 過去にこのワクチンで強いアレルギーが出た方

卵アレルギーがある場合は、注射と同じく基本的には接種できます。ご心配な方は診察の際にお伝えください。最終的には診察のうえで判断します。

接種のときに気をつけること

  • 鼻づまりがひどいときは延期しますスプレーが粘膜に届きにくくなるためです。鼻水が少しある程度なら問題ありません。
  • 接種の直後は鼻をかまないでくださいスプレーしたワクチンが流れ出ないよう、数分はそのままにします。
  • インフルエンザの薬を使っている場合はお知らせくださいタミフルなどの抗インフルエンザ薬は、接種前後に使うとワクチンのウイルスを抑えてしまい、効果が下がることがあります。
  • ほかの生ワクチンの予定がある方はお知らせくださいMR(麻しん風しん)・水痘・おたふくかぜなどとの間隔の確認が必要です。

接種後に起こること(副反応)

いちばん多いのは鼻水・鼻づまりで、数日続くことがあります。ほかに、咳、のどの痛み、軽い発熱、頭痛が出ることがあります。多くは数日でおさまります。まれに強いアレルギー反応が起こることがあるため、接種後しばらくは急な体調の変化にご注意ください。

また、接種後1〜2週間は、弱めたウイルスが鼻から少し出ることがあります。健康な方にうつって病気になることはほとんどありませんが、免疫が大きく低下しているご家族がいる場合は、接種前にご相談ください。

どちらを選ぶか、目安

  • 点鼻が向いている注射が苦手なお子さん。13歳未満で2回の来院が難しいご家庭。
  • 注射が向いているぜんそくやゼーゼーがあるお子さん。2歳未満。妊娠中の方。ご家族に免疫の低下している方がいる場合。

迷われる場合は、診察の際にご相談ください。どちらも予約枠が分かれていますので、ご予約の際はお間違えのないようご注意ください。

ご予約

2026年度のご予約は9月12日(土)から、デジスマの「点鼻インフルエンザワクチン」枠で承ります。接種は10月1日(木)からです。点鼻は例年10月前半にご希望が集中しますので、お早めにご予約ください。18歳未満の方は保護者の方の同伴と、母子健康手帳をお願いします。

インフルエンザ予防接種のご案内(注射と点鼻の比較表・FAQ) →

この記事は、厚生労働省、日本小児科学会、フルミスト点鼻液の添付文書、米国CDCの情報をもとに作成しています。内容は一般的な情報で、実際の接種は診察のうえで判断します。

こしべクリニック キャラクター
院長 越部 融
こしべクリニック / 小児科・内科・小児外科・胃腸科

佐倉市表町で開院30年。地域のかかりつけ医として、赤ちゃんからご高齢の方までを診ています。

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